東洋医学の思想に「天の陽気と地の陰気とが調和して人の気がつくられるとする。」(天地人三才思想)と言う、人と自然の見方があります。
分かりやすく言えば人も自然の一部と言うことなんですが、これを日常の中で見てみると、夏は暑く、冬は寒い。これに伴い身体の働きは暑ければ汗をかき熱を逃がす、寒ければ身体を縮こませ熱をつくり保とうとします。
また1日の中で見ても、昼に活動し夜は休むリズムがあり、活動している身体を外敵から護り休んでいる身体を内側からメンテナンスする働きがあります。
人の身体はこのように自然の変動(四季や昼夜など)の中で陰陽のバランスを保っています。これが自然の身体のリズムです。
そしてこのリズムが乱れると身体の不調が続き気力や体力が失われ、心と体のバランスが乱れます。ゆえに身体のリズムは自己回復力となるのです。
人の身体の働きは、気・血・水からなります。
気は形はありませんが身体の働きそのものです。代謝促進や身体を温めたり、血や水を運ぶエネルギーです。
血は血液ですが、栄養とも考えます。
水は津液とも言い、身体を潤したり熱をさます働きがあります。
これらが滞ったり不足すると、、。
気が | 滞ると | イライラ、怒りやすく、のぼせる |
不足すると | 疲れやすくなる、風邪を引きやすくなる |
血が | 滞ると | 月経痛、特定の所に痛みが出る(肩こり、腰痛) |
不足すると | 立ちくらみ、不眠 |
水が | 滞ると | むくみ、下痢 |
不足すると | 肌がカサカサする、髪がバサバサになる |
そして便秘は血の不足、気の滞りと不足でもみられます。気・血・水は五臓六腑とも関わりが深いためこの他にもいろんな症状がみられます。
このように気・血・水が身体のリズムに乗ってバランスを保ち、めぐることで健康が保たれます。
下記にWHO(世界保健機構)で認定されている針灸治療の適応症をご紹介します。
分類 | 疾患名 |
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上気道疾患 | 急性副鼻腔炎、急性鼻炎、感昌、急性扁桃炎 |
呼吸器疾患 | 急性気管支炎、気管支喘息(小児が最も有効、合併症のないもの) |
眼疾患 | 急性結膜炎、中心網膜炎、近視(小児)、白内障(合併症のないもの) |
上気道疾患 | 急性副鼻腔炎、急性鼻炎、感昌、急性扁桃炎 |
口腔疾患 | 歯痛、抜歯後疼痛、歯肉炎、急性慢性咽頭炎 |
胃腸疾患 | 食道・噴門痙攣、しゃっくり、胃下垂、急性慢性胃炎、胃酸過多症、慢性十二指腸潰瘍(除痛)、急性十二指腸潰瘍(合併症のないもの)、急性慢性腸炎、急性細菌性赤痢、便秘、下痢、麻痺性イレウス |
神経・筋・骨疾患 | 頭痛、偏頭痛、三叉神経痛、顔面神経麻痺(初期3〜6ヶ月以内のもの)、脳卒中後の不全麻痺、末梢神経障害、急性灰白髄炎の後遺症(初期6ヶ月以内のもの)、メニエール病、神経因性膀胱、夜尿症、助間神経症、頚腕症候群、五十肩、テニス肘、坐骨神経症、腰痛、変形性関節症 |